企業で社員向けにソーシャルメディアリスク研修の一環として利用されている、SNSに関するリスクアセスメントを行う事例問題を皆様にご紹介致します。
SNSリスクアセスメントの目的
SNSリスクアセスメントの目的は、ビジネス上のリスクを把握するために使うものです。
また、企業の信用を守ること<誹謗中傷や取引先からの信頼低下などをなくす>、企業の情報を守ること<情報漏洩防止>、を第一としています。
回答するのは従業員本人です。アセスメント(診断)を受けながら、自己理解を深められる内容になっています。
さてこのアセスメントですが、通常に学校のテストと違い、正解のない問題もあります。そのときは、どう考えていけばよいのか、その道筋を提示しています。
まだ数は少ないですが、企業ではソーシャルメディアポリシーやソーシャルメディアガイドラインを作成しています。しかし多くの社員がほとんど観ていません。なぜなら自分だけは絶対大丈夫と思っているからです。ですから改めて社員に気づきを与える意味も、このアセスメントにはあります。
【第一問】公開している個人情報の事例問題
1.公開している
2.友人にのみ公開している
3.登録はしているが、公開はしていない
4.そもそも社名や部署名を登録していない
公開しなければよい、というものではありません。プロフィール情報で会社名などの公開を認めつつ、しっかりとしたソーシャルメディアリテラシーを身につけさせる方がよいでしょう。
この回答で一番リスクが高い回答は「友人のみに公開している」です。「友人以外には所属がバレない」という甘い考えが、不用意な発言や行動を誘発し、炎上の火種となる可能性があります。
この答えの補足をしますと、なぜ友だち公開が危ないかというと、友だちだから話してしまう、ネガティブな話や差別的な表現、ということが起きやすいことにあります。
実際、ネット炎上事件の多くが、一般非公開、友だちだけ公開から起きているのです。AKB48のあるタレントが非公開のツイッターに、合コンに参加して酔っ払って乱痴気騒ぎをしている画像をアップしたところ、それが外部に流出して問題になったことがありました。
【第二問】ソーシャルアカウントに関する事例問題
例えば、FacebookやLINEを実名で利用していたら、それは同じ(重複する)ユーザー名/ハンドル名で利用していることになります。
1.ほぼ重複している
2.やや重複している
3.重複していない
4.わからない
リスクが高い回答は「ほぼ重複している」「すべてではないが重複しているものがある」です。同じユーザー名/ハンドル名の場合、複数のソーシャルメディアのプロフィール情報や投稿内容を関連づけて検索できてしまうためです。もちろん、不用意な書き込みをしなければ問題ないのですが、リスクを低減するためにはユーザー名やハンドル名を分けておいた方が無難です。例えば、あるソーシャルメディアのアカウント名から、その人のネットオークションの取引履歴を検索することもできる場合があります。
この答えの補足をします。一般にID、アカウントは、パスワード設定より注意が疎かになりがちですが、これは間違っています。パスワードはいろいろ変えるように注意喚起がありますが、ID、アカウントの使い回しのほうが問題が大きいのです。なぜならID、アカウントを同じ記号やハンドル名で表記する人が多く、それを辿っていくと個人情報が特定されてしまうのです。
6年前にホテルの女性従業員が、あるスポーツ選手とタレントの密会情報をツイッターで投稿した炎上した事件がありました。ホテル来客者情報を漏らすのか!と大問題になり、ホテル支配人が謝罪に追い込まれるといった騒ぎになりました。この事件では、ツイッターのアカウントがアルファベット4文字で匿名による投稿だったのですが、SNSのミクシィでも同じID表記を使っていたために関連づけられてネットで粗探しが行われ、フェイスブックで顔写真が特定されるといったことまで起きました。
最近注意が必要なのは、ココでも取り上げているヤフーオークションです。ヤフオクでは安くいろいろな品物が購入できるため人気ですが、個人情報をお互い交換します。そこでは、氏名、住所、携帯電話番号といった情報が相手方に公開されます。そのヤフオクで使っているIDが他で使われていたりすると、その人の購入履歴から趣味や行動の傾向がつかめます。ですので、大変危険なのです。変えるようにして下さい。
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