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ネット炎上加担研究から見る企業事例とネット炎上の予防対策( 『ネット炎上の研究』著者・山口真一氏寄稿)


 
インターネットの普及は、企業と消費者の関係に革新をもたらしました。かつては、企業が消費者に対して一方向に情報を提供し、製品・サービスを販売するというのが一般的でした。しかし今では、消費者自らが発信者になって積極的に情報を拡散することが、大きな広告効果を生み出しています。例えば、大ヒット映画「君の名は。」では、ネット上の口コミが動員数増加に大きく貢献したことが知られています。また、ネット上の口コミによる消費喚起効果は、年間約1.5兆円にのぼるという研究結果もあります 。(※1)

さらに、企業のSNSアカウントをインタラクティブに運用することで、自身のブランド力を向上させたり、気軽に寄せられた意見を参考にしてサービスを改善したりといったことも可能です。このようなことからインターネットを活用したマーケティングというのは、既に欠かせないものとなっております。

しかしそれに伴い、企業は新たな危機に直面することとなりました。それが、一つの対象に批判や誹謗中傷が集中する、いわゆる「ネット炎上」です。
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※1:山口真一. (2015). インターネット上の情報シェアによる消費喚起効果の実証分析. GLOCOM Discussion Paper, 16-1.

事例:ネット炎上と企業

企業の絡むネット炎上の事例は、様々なものがあります。例えば、企業のSNSアカウントが炎上した事例として、楽天トラベル誤爆事件があります。これは、楽天トラベルの公式アカウントが、シンガーソングライターの柴田淳氏に攻撃的なリプライを投稿して炎上した事例です。アカウント運営者の個人的な発信が、誤って投稿されたものであると推測されます(いわゆる誤爆)。その後楽天トラベルはツイートを削除したのち、誤爆の理由について社内調査中としたうえで謝罪しました。

また、謝罪が言い訳に見えるとして炎上が激化した事例もあります。飲食店の300B ONE異物混入事件では、被害者が注文した料理にホチキスの針が混入しており、説明を求めたものの無視されたため、Twitter上で被害を訴えました。小規模な炎上が起こり、謝罪文が掲載されたものの、「気が付かなかったので謝罪出来なかった」「零細企業なので大企業のようなお客様対応は難しい」「当店で出したものにお客様が入っていたということなので謝罪します」と記載しており、言い訳がましいと批判が集中し、炎上が激化しました。

企画で炎上する事例では、HIS東大美女ツアー事件があります。これは、大手旅行会社HISが、「東大美女図鑑の学生が、あなたの隣に座って現地まで楽しくフライトしてくれるキャンペーン』を開始して炎上した事例です。「セクシスト(性的差別者)の企画」「セクハラ・性差別」等の批判が集中し、「不快な思いをさせる企画内容があった」として即日中止となりました。

さらに、直接金銭的被害が発生することもあります。アルバイト店員が、「洗浄機で洗われてきれいになっちゃった」というコメント付きで、洗浄機に横たわる画像をツイートして炎上したそば屋は、「不衛生だ」等とクレームの電話が相次ぎ、閉店に追い込まれました。

炎上は誰が起こしているのか

では、このようなネット炎上とは、果たしてどのくらいの人が起こしているものなのでしょうか。2014年に約2万人を対象に行った調査・統計分析は、炎上の驚くべき実態を示しました。なんと、炎上において、過去一度でも書き込んだことがある人は、ネットユーザの約1.1%しかいませんでした(図1)。

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図1 炎上とのかかわり方

さらに、1年以内の書き込み、いわゆる現役加担者に限定すると、約0.5%となりました。これは、200人に1人の割合であり、少数といえるうえ、1件当たりに換算すると0.00X%桁となります。このように、炎上事件での攻撃者がごく少数であることは、実は、有識者には知られていました。例えば、2ちゃんねる元管理人のひろゆき氏は、2ちゃんねる上のほとんどの炎上事件の実行犯は5人以内であり、たったひとりしかいない場合もあると述べています。

また、2016年に約4万人を対象に行った調査・統計分析では、年間炎上加担件数が1~3件の人が、炎上加担者の約65%を占めている一方で、11件以上の人が約10%いました(図2)。つまり、200人に1人の炎上加担者の中で、さらにごく少数の人が、多くの炎上に加担していることが分かります。単純計算で、年間11件以上の炎上に書き込んでいる人は、2,000人に1人となります。

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図2 過去1年において何件の炎上に書き込んだか

ネット炎上の予防

以上のように、炎上はごく少数の人の書き込みから成り立っています。では、無視してよいほど些末な現象なのでしょうか。もちろん、そのようなことはありません。図1からも、聞いたことがない人が約8%しかおらず、認知者は多いことが伺えます。また、場合によっては、企業の株価に影響を与えることもあります。

企業のインターネット活用における炎上の予防策には、大きく分けて2つのものがあります。1つ目は、書き込み内容・タイミングの配慮です。誤った情報や、批判等を発信しないのは当然として、センシティブな話題を発信する際も十分に気を付ける必要があります。センシティブな話題とは、食べ物・宗教・社会保障・格差・災害・政治・戦争・性別と、多岐にわたります。また、特に企業のプロモーションで気を付けるべきは、性別です。男女(特に女性)を型にはめるような発信をして炎上する事例が後を絶ちません。

2つ目は、事前予防策を打っておくことです。まず知識として、コミュニティの規範を知っておく必要があります。それは、規約の熟知はもちろん、ユーザ内に流れる暗黙の規範も含まれます。そのような規範はサービスごとに異なっており、熟知しておく必要があります。また、自動検知システムの導入等のシステム的対処も考えられます。リスク管理会社への委託や、Googleアラート等の活用で、炎上した際迅速に検知出来るよう体制を整えておく必要があります。さらに、SNSを利用した広報は複数人でやることも重要です。「言葉遣いは大丈夫か」「この発信は特定の層に不快ではないか」等は、複数人でチェックした方がはるかにコントロール出来ます。
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ひとたびネット炎上が起こってしまったら

しかしながら、炎上について完全な「防災」はありません。では、炎上してしまった時にはどうすれば良いのでしょうか。

第一に、批判が妥当なものか判断する必要があります。批判が妥当ではない、あるいは、妥当な部分もあるが取り下げるほどでもないにもかかわらず、謝罪や取り下げを行うと、発信内容を否定することに繋がるので、擁護者も否定することとなり、むしろ立場を悪くする場合もあります。過去の炎上事例では、主張を貫くことでむしろ評価をあげた例もあります。また、批判ユーザがその批判しかしていないようなアカウントや、誹謗中傷ばかりを繰り返しているようなアカウントならば、割り引いて考える必要があるでしょう。

第二に、謝罪する際は事実の公表に徹し、言い訳・隠ぺい行動・消費者への批判は絶対にしてはいけません。前述の300B ONE異物混入事件でも明らかなとおり、謝罪しても、言い訳と捉えられる表現を使用している場合、むしろ炎上の激化を招きます。また、批判ツイートの削除を要請したり、拡散されてしまった発信の削除を要請したりする行為は、隠ぺい行動と捉えられ、これも火に油を注ぐだけです。謝罪では事実の公表に徹し、具体的に何が問題であったか、今後どう改善していくかを発信するのが良いでしょう。

ナレッジ&コラム執筆者

執筆者

山口 真一(やまぐち しんいち)

国際大学グローバル・コミュニケーション・センター講師
1986年生まれ。国際大学グローバル・コミュニケーション・センター講師。2010年慶應義塾大学経済学部卒、2015年同大学経済学研究科で博士号(経済学)を取得し、国際大学グローバル・コミュニケーション・センター助教を経て、2016年より現職。専門は計量経済学。研究分野は、ネットメディア論、フリー型ビジネスモデル、プラットフォーム戦略等。「おはよう日本」(NHK)をはじめとして、テレビ・ラジオ番組にも多数出演。主な著作に、『ソーシャルゲームのビジネスモデル』(共著、勁草書房)、『ネット炎上の研究』(共著、勁草書房)などがある。

  

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