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忘れられる権利

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忘れられる権利とは


「忘れられる権利」とは?

忘れられる権利(わすれられるけんり、英: right to be forgotten)とは、インターネットにおけるプライバシーの保護のあり方について2006年以降に検討、施行されてきた権利である[1]。
[1]Sreeharsha, Vinod (2010年8月20日). “Google and Yahoo Win Appeal in Argentine Case”. New York Times〈引用:Wikipedia

上記、Wikipediaからの引用の通り、『忘れられる権利』とはインターネット検索の世界で議論が始まったばかりです。

これからもっと議論が深まれば、インターネット検索以外のシーンでも使われる用語になるかもしれませんが、ここでは議論の発端となったインターネット検索の世界に焦点を絞って、「インターネット検索の結果から個人情報を消したい」という権利の主張について、紹介していきます。

なぜ『忘れられる権利』という言葉が生まれたのか?

この言葉が初めて世間に注目されたのは、フランスで始まったある裁判でのことでした。

2011年11月、軽率にも自分のヌード映像をインターネット上に掲載してしまった女性が、検索世界最大手のGoogleを相手に起こした訴訟です。
映像はインターネット上で次々とコピーされてしまい、その数は実に30万を超えたそうです。

その1つ1つを削除していくことがほぼ不可能であることは想像に難くありません。
彼女はこの映像が原因で就職もままならない状況でした。そこで原告側が目をつけたのがGoogleです。

すなわち、その映像が載ったページへの「入口」となる「検索結果」をおさえてしまえば、映像を閲覧される被害が軽減されるだろうと考えたのです。
結果は原告側の勝訴となりました。

これによって、2012年1月、EUは立法として『一般データ保護規則案』の第17条に『忘れられる権利』を明文化することとなり、『忘れられる権利』という概念が、一気に世間の注目を集めました。(2014年には『消去権(right to erase)』という言葉に修正されています)

自分のヌード映像を世界中に公開してしまったこの女性の行動は浅はかなものだったかもしれませんが、いつの時代も若者が間違いをおかす危険性があるということは変わりません。

スマートフォンの爆発的な普及に伴い、人々とインターネットの距離がぐっと縮まったことで、残念ながらそれがインターネット上で簡単に、しかも重大なトラブルとして起こるようになってしまってしまいました。

一度でもインターネット上に公開された情報は、他人にコピーされるによって半永久的に残り続けます。
間違いをおかした人は確かに悪いかもしれません。

しかし、先述のフランス人女性が自らの過ちを反省した後も定職につけなかったように、残った情報がその後の人生の障壁となることは些か気の毒だとは思いませんか。

『忘れられる権利』は、このようなジレンマを内包しています。

様々な権利とぶつかる『忘れられる権利』

Googleは上記のような裁判を通して、『忘れられる権利』が乱用されると他の様々な権利とぶつかることを懸念するようになりました。
たとえば『知る権利』『報道の自由』『言論の自由』『表現の自由』などの権利が侵害されることや、ビッグデータによって発展しつつあるインターネット業界のイノベーションをも阻害されるのではないかと考えています。

確かに何でも『忘れられる権利』が通用するようになってしまうと、情報に検閲がかかる世界となってしまい、いつか隠されるべきではない情報まで紛れて隠されてしまうことになるのではないかという危険性も出てくるでしょう。

また、ビッグデータを使用したサービスを扱う産業で様々なイノベーションが起ころうとしていますが、あまりにもプライバシー保護の主張が強くなりすぎると、ビッグデータが活用されなくなり、新しいアイディアを潰してしまうことにもなりかねません。
Googleは『忘れられる権利』ばかりを優先するのではなく、様々なと両立させる努力をするべきであると慎重な姿勢を示しています。

しかし、フランスの彼女のように『忘れられる権利』を主張することで救われる人もたくさんいます。
2014年スペインでは、ある男性が16年前に社会保障費を滞納してしまったために、自分の不動産が競売にかけられてしまった過去がインターネット上の記事に掲載されたままになっていました。

当時、すでにそのような状態は改善されていたにもかかわらず、その記事が検索結果の上位に表示されてしまっていたことで、彼は信用を失ったままでいたのです。
この裁判でも原告側が勝訴しました。

さらに、このようなケースは元犯罪者にも置き換えられます。
犯罪者が犯した犯罪のニュースを『知る権利』は確かに世界中の人にありますが、そのニュースが検索結果の上位に表示され続けることで、罪を償った後の元犯罪者の更生や社会復帰が阻害されてしまう場合があるのです。

2015年7月に日本の裁判でもGoogleの検索結果に逮捕報道が表示され続けることは『人格権』の侵害にあたるとされ、その人には「前科等にかかわる事実の公表により新しく形成している社会生活の平穏を害されその更生を妨げられない利益」が認められました。

他にも少し変わった例として、犯罪歴のある人と名前が同姓同名であるために転職活動が妨げられてしまっている人がいるという問題も稀にあります。
犯罪歴の削除については事件性の高さや時間の経過具合にもよって『知る権利』とのバランスを見極める必要があり、慎重を期して個別に判断していくことになるでしょう。

また、『忘れられる権利』は、リベンジポルノを拡散されてしまった人も救える可能性があります。
リベンジポルノとは、離婚した元配偶者や元交際相手が相手から拒否されたことの仕返しに相手の裸の写真や動画などをインターネット上に勝手に公開することです。

これは昨今、世界中で問題になっています。
日本では、被写体が18才未満であれば児童ポルノ禁止法違反、それ以上の年齢であればわいせつ物頒布等の罪、内容によっては名誉毀損罪や侮辱罪が成立することになっていますが、やはり対象の写真や動画の散布を全て止めることは難しく、検索エンジンからの流入を止めることは被害の軽減に効果があるのではないかと期待されています。

『忘れられる権利』を取り巻くさらなる問題

このように、『忘れられる権利』を取り巻く権利問題とジレンマは複雑化しています。
『忘れられる権利』で救われる人もいる反面、『忘れられる権利』が乱用されることで様々な権利侵害が起こることは防がなければなりません。
ただ、このバランスをとるのは難しく、基準のようなものを決めることもなかなか一筋縄ではいかないものです。

GoogleはEUの判断を受け、すぐに削除要請フォームを設置しました。
しかしそれら全てを指摘のままに応えることはできないとして該当するデータの削除については個別に審査をするという構えでいます。
一見、きちんと判断してくれるという誠実な姿勢は感じられますが、Googleは一民間企業です。
プライバシー保護の基準を一企業に任せて良いのかという議論も新たに沸き起こっています。

さらに、「そもそも掲載されているページが野放しになっているのに、Google等検索エンジンばかりが責められるのもおかしい」「そもそも検索エンジンは検索結果に対して責任を負う義務があるのか」「削除要請を1件ずつ対応しなければならないコストはすべてGoogleだけが負担するのか」という疑問や意見も噴出しており、問題は山積みです。
もしかすると、先述のような裁判が様々な国で1件1件ずつ行われることで打開策が見えてくるのかもしれませんが、まだまだ判例が少なく、かなり時間がかかりそうです。

日本ではどうなっているのか

日本には『プロバイダ責任制限法』という法律があり、これによって、検索エンジンに削除を要請しなくてもプロバイダに直接やりとりができるようになっています。
しかし先述の通り、情報がたくさんコピー・拡散されてしまうと1件1件プロバイダに問い合わせることが難しくなり、個人の力だけで対処するのは絶望的な状況になってしまいます。
また、プロバイダ責任制限法を盾にニュースサイトの記事まで削除を求めるのは『報道の自由』とぶつかるため容易ではありません。

そこで、日本でも『忘れられる権利』が主張された裁判が起こりました。

先の元犯罪者の例では「人格権の侵害」に加え、「更生を妨げられない利益」という観点から最高裁はGoogleへ該当の検索結果を削除するように判決を下しました。
しかし、『忘れられる権利』にまで踏み込まれた2016年7月の裁判では 「男性の逮捕歴は社会的に関心の高い行為で、5年程度が経過しても公共の利害に関わる」と判断され、「削除すれば多くの人の表現の自由と知る権利を侵害する」と述べられました。
さらにこの時、前の裁判が行われたさいたま地裁ではGoogleが削除することになっていましたが、最高裁では『忘れられる権利』は「法律で定められたものではなく要件や効果が明確でない」とされました。

つまり、EUでは『消去権』として整備されつつある『忘れられる権利』は、日本ではまだかなり慎重に判断されている最中だということです。
先の例のように、日本では人格権等、他の権利と重複する部分があるため、判例と専門家による議論をたくさん重ねていく必要があるでしょう。

今後も日本、そして諸外国でどのようになっていくのかはわかりませんが、すでにわかっていることは2つあります。
それは、インターネットを利用するユーザー1人1人のモラルが強く求められているということ、それから、インターネットで起こる出来事に法が追いつくまでには多大な時間がかかりそうであるということです。

しかし、法が追いつかないからといって何もせずにすぐ泣き寝入りを決めるべきではありません。
万が一、削除したい情報がある場合はプロバイダに削除要請をするべきですし、それで効果がなかったとしても、対処法は削除だけではありません。
Googleに申請をすることで検索結果から見えなくしたり、逆SEOを行って該当のページを検索結果の順位を落とす等、別の手法で当該情報を目立たなくすることも可能です。
もし何かお困りごとがございましたら、弊社にお気軽にお問い合わせください。

 

参考サイト

●日本における「忘れられる権利」vs「知る権利」の最新情報と問題点:http://www.fuhyo-bengoshicafe.com/bengoshicafe-11949.html

●「忘れられる権利」認めず 東京高裁、グーグル検索記事で「要件や効果が明確でない」2016/7/13 0:38(日本経済新聞):http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG12H6C_S6A710C1CC1000/

●忘れられる権利(Wikipedia):https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BF%98%E3%82%8C%E3%82%89%E3%82%8C%E3%82%8B%E6%A8%A9%E5%88%A9

●忘れられる権利(WEB広報):http://xn--mbkebb0414bnfrlqq.com/

●「忘れられる権利」、日本でも真剣に考える時 検索エンジンの情報にアクセスする利益にも配慮が必要(WEB RONZA/宮下紘):http://webronza.asahi.com/national/articles/2016081000003.html

●日本の裁判史上初?「忘れられる権利」(ネットイージス.com):http://net-aegis.com/blog/472

●高裁で否定された「忘れられる権利」 新しい権利として認めるべきなのか(Yahoo! JAPANニュース個人/田上嘉一):http://bylines.news.yahoo.co.jp/tagamiyoshikazu/20160714-00059958/

●「忘れられる権利」初認定 グーグルに犯歴削除を命令 さいたま地裁(産経ニュース2016.2.28):http://www.sankei.com/affairs/news/160228/afr1602280013-n1.html


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