飲食店の風評・炎上の傾向
今までの飲食店におけるネット炎上は「食材の偽装」や「料理の質の悪さ」が多数を占めていました。
たとえば、「北海道産ボタンエビとメニュー表示したがすべてカナダ産を使用していた」というケースや「“京地鶏の”と表示されていたがブロイラーの肉を使用していた」、「半熟卵と記載されていたが実際は入っていなかった」というケースなどがこれにあたります。
しかし、ここ2~3年の間に、ソーシャルネットワーキングサービス(以下SNS)を中心に多種多様なケースで炎上が起こってきています。
たとえば、「従業員が業務中に盗撮をする」「店長が顧客に直接連絡をとる」「お客が店舗内で常識の範囲内を超えた行動をする」などがそれにあたります。このような行為が起こるだけでなく、それを面白半分でSNSにアップロードし、またたく間に拡散、そして炎上しています。
大規模な飲食店では特に従業員個人のSNS利用の 管理まで行うことができないため、このような状況に頭を悩ませている会社も少なくありません。
SNSがなかった時代にはネットに出ることのなかった問題が露呈する事で、ユーザーにとっては正しい情報選択が出来るようになったという良き面もあるものの、店側に落ち度がないにも関わらず顧客の予想もできない対応により炎上してしまうケースもあるため、飲食店側にとってはどれだけ注意していても、「いつだれが炎上させてもおかしくない時代」に入っています。
これに対して飲食店運営会社や店長の方は、SNSの運用・使い方についてルールを定めて遵守させるのはもちろんの事、いままで他社がどのような炎上をしてしまったのかの事例を学び、同じような状況に陥ることを防ぐ事が大切です。
では、実際にどのような事例があるのか見ていきましょう。
飲食店風評被害・炎上事例
パターン1:『食材・提供物』
・・・ハンバーグにホッチキスの針混入。ブログに謝罪文を掲載するも、言い訳ばかり書かれていたためSNSを中心に炎上
●しゃぶしゃぶ木曽路
・・・松阪牛ではない肉を「松阪牛」として提供。合計7171食を提供。
●高島屋
・・・メニューにブラックタイガーを「車エビ」と偽装する食材を最長9年半使っていたと発表。
パターン2:『従業員』
・・・「吉野家でメガ牛丼に対抗してテラ豚丼をやってみた フリーダム」という題の動画をインターネットの動画投稿サイトに公開。「不衛生だ!!」「食べ物を粗末に扱うな!!」といった苦情の問い合わせも相次いだ
●バーガーキング
・・・店舗のバックヤードにあるビニールで包装された大量のバンズが床に積まれていて、その上に一人の男性が気持ちよさそうに大の字になって寝そべっている画像をアップし、炎上。
●ピザーラ
・・・アルバイト従業員が店内でシンクに入ったり冷蔵庫に入った写真がTwitterやブログなどに次々転載され炎上。
パターン3:『顧客』
・・・レジ前にあるおでんコーナーで、帽子をかぶった金髪の男が実況しながら素手でおでんを触る動画をSNSに公開し炎上。
飲食店の風評・炎上傾向まとめ
飲食店の事例を見てみると、本当に多種多様な炎上が起こっています。その中で飲食店の方が気をつけていただきたいポイントは以下の3つです。
①日頃から従業員と密にコミュニケーションをとり、行動を把握しておく
②炎上事例のパターンを把握し、その部分には店内で徹底したルール管理をする
③仕事中は、「誰かが必ず見ている」という事を店内で共有し、緊張感をもって従業員を仕事をに取り組ませる
どれも当たり前のことのように見えますが、炎上した飲食店はこの3つのどれかが欠けていて起こった可能性が高いです。顧客が主たる原因となる炎上の場合も、従業員の落ち着いた対応で炎上が逆にいい評価を得ることも考えられます。
いつどの場面を切り取られてもいい評価を受ける仕組みづくりを今一度検討しましょう。