IT業界の風評・炎上の傾向
日本のBtoCでのネット市場規模は、2010年に7兆7880億円まで到達しています。今後は更に、様々なサービスのIT化が進むと予想されます。
数年前まで、ガラケーが主流だった携帯電話の市場もほとんどがスマートフォンに移行しており、インターネットのサービス化(アプリ化)がより一層進んでいるのが現状です。
ユーザーのスマートフォンへの移行に合わせて、どんどん売上を伸ばしているのがネットでの電子商取引事業です。Amazonや楽天だけのネットショップに限らず、スーパー等もネットで商品を買えるようになりました。そんなユーザーにとってありがたいサービスも、いいことだけではありません。会員情報をネット上で抱えているため個人情報流失のリスクがあるのです。
ニュースで「◯◯の個人情報が流出した」と聞いた事はないでしょうか。いまでは大企業・中小企業など業種関係なく話題になっておりますが、ネット上で顧客情報を抱えるサービスにとって流出のリスクは避けられない重要なトピックとなっています。
ネット中傷への対処法
また、現在炎上のバターンは「個人情報漏洩」だけでなく「なりすまし・乗っ取り」「ネット告発」「キャンペーン炎上」「騙しメール・偽サイト」「不正ログイン・ハッキング・サイト改ざん」「ミスPR」など多岐にわたっており、IT業界の会社にとってこのリスクと立ち向かうため誹謗中傷・風評被害・炎上の対策は必須と言えます。
下記は、ネットの風評被害のIT企業事例になりますが全てではありません。昨今、ニュースを見ると毎日のように炎上のニュースが流れており、IT企業以外の方でも対策が必須な時代になっています。
ネット風評被害・炎上 事例
個人情報流失
ベネッセコーポレーション 顧客情報が最大2070万件 外部流出
通信教育「進研ゼミ」を含むサービスが対象。漏れたのは子供や保護者の住所や氏名、電話番号、子供の性別や生年月日など。
社内調査を進めるなかで特定のデータベースから顧客情報が何らかの形で外部に持ち出されていた。
JAL マイレージ会員4131人分 情報漏洩
外部サーバーに流出した顧客情報は、会員の名前と会員番号、入会年月日、生年月日、性別、自宅(国内の郵便番号・住所・電話番号・FAX番号)、勤務先(会社名、所属部門名、役職、国内の郵便番号・住所・電話番号)、電子メールアドレス。クレジットカード番号やJMBパスワードの漏えいはなし。
問題が起こったのは、JMBに登録した約2800万人分の顧客情報を管理するシステム「VIPS」。
VIPSを使えるPCが1800台あり、VIPSから顧客情報を盗み出すウイルスが実行されたPCは5台で、データを社外に送信したPCは5台のうち3台だと特定。
その3台の通信記録を調査した結果、4131人分が社外へ流出した。情報が流出した顧客には、500円相当のQUOカードなどを提供したようだ。
ミスPR
TSUTAYA「テレビは地震ばっかりでつまらない、 そんなあなた、ご来店お待ちしています」とTwitterでコメントし炎上
TSUTAYA公式アカウントによると、Twitter上で地震情報にまつわるテレビ番組を見ているユーザをターゲットに信じられない発言をしていることが分かった。
「【TSUTAYA阿佐ヶ谷ゴールド街店】営業再開しました! テレビは地震ばっかりでつまらない、そんなあなた、ご来店お待ちしています! 」
この不謹慎な発言に、多くのユーザーが公式アカウントに反論されるほか2chサイトでも批判が集中。「ありえない」「不謹慎だ」など、多くの反感を買う事になった。
グルーポン 購入したおせち料理が見本と全然違う!とネットで問題視される
共同購入サイト『グルーポン』で注文すると21000円のおせち料理が10500円になると話題になり500件の注文を受けた『バードカフェ』。しかしその注文の多さに対応出来ず送られてきたおせち料理は見本とは全然違う物になっており、画像をブログやSNSに拡散され、炎上。
DELL 女性向けサイト・パソコンの活用法の内容で批判殺到
DELLがネット上で公開した女性のPC使用方法がネットで料理のレシピを見つけたり、料理のビデオを見たり、カロリー計算をすることができるといったものだった。
このベタベタな女性向けコンテンツに対して、「女性がコンピュータを使ってやることはこれなのか?」とネットユーザーが声をあげ、
同社の女性ユーザーに対するイメージ批判にまで発展した。
従業員の悪影響
楽天 派遣社員への差別発覚
楽天が、派遣社員には社食サービスを使わせず、なおかつお昼ごはんを会社で食べてはいけないとルールを伝え
近くのイオンのフードコートで食事させたとして「差別だ!」とネットで話題になった。
IT企業の風評・炎上傾向まとめ
IT企業の傾向をまとめると大きく分けて2点になります
❶ PRを行う際は慎重に
❷ 従業員の情報管理教育の徹底
❶IT企業の傾向として、PRをネット広告を利用し行う場合が多いです。ネットの広告はtwitterやfacebookで拡散されやすいため、炎上してしまってから処理するのは大変です。広告の訴求方法や、文言などを細かくチェックして行いましょう。
❷IT企業に勤めている従業員の方は、ネットリテラシーが高い方は多いですが情報の管理までしっかりしている方は多くありません。個人情報を保有している会社は特に、社員向けに管理教育を行い「離席中はPCをロックする」「情報は持ちだしたり、メモしない」というように徹底した教育を行いましょう。