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企業とデジタルリスク(4)「ユーザー心理」~広告の嘘は糾弾される。「すかすかおせち事件」を検証する~


ネット炎上

なぜ事件は大炎上したのか

すかすかおせち事件は、なぜ大炎上し、最後には会社を廃業に追い込むまでになったのか。その炎上に至る過程をもう一度振り返ってみよう。

この事件では、ヤフートピックスで取り上げられたことで炎上が拡大した。ヤフトピでニュースになる事件は、ほんの一部である。世の中ではいろいろな事件が起きているが、なぜすかすかおせち事件が取り上げられたのか。その点をよく見ることが大事である。

ヤフートピックスに事件が取り上げられる基準はいろいろあるが、ネットで話題になっている、5ちゃんねるで祭りになっている、繰り返し話題が検索キーワードの上位に来る、などは一つの選考基準になる。ヤフトピに取り上げられる前、まだ祭りの準備段階にあった2ちゃんねるで、何が祭りの原因だったのか、ちょっと整理しておこう。

  1. 宅配おせちの製造、出荷の経験がまったくなかったこと。
    これは後で判明したことだが、おせちを通販で売るのが初めてだった点。慣れない製造現場の詰め込み作業、出荷業務で起きた問題が共有されなかった。
  2. 経験も無いのに安易に100セットの注文を500セットまで受けてしまったこと。
    営業と製造現場の間に、情報共有がなされておらず、なんとかなるだろうと勢いで進めてしまったこと。
  3. 社長のツイッターでの不用意な発言がネットで発掘されたこと。
    これはネットで事件化する際に必ず問題になる点だ。事件が起きるはるか昔に、会社や人間がした言動や行動が問題になる。この点は特に注意が必要になる。
  4. 社長のブログでの他社の失敗を例に出した自慢話がネットで発掘されたこと。
    他社の批判、それをネタにした自社の自慢話は、事件が起きたあとで発掘されて、問題になる。
  5. 内容が見本とあまりにもかけ離れていたこと。
    広告と実際が違う点が問題になった。すかすかという言葉の面白さが、拡散された。
  6. 遅配の連絡、購入者のフォローがまったくできていないこと。
    ユーザー(購入者)から次々に届かないとの不満が寄せられていた。後手後手に回ってしまい、ひとりひとりのフォローができなかった。
  7. 品数も見本が33品なのに対して、数えてみると25品ほどしかないこと。
    動画像が晒されるネットでは、嘘はバレる。広告で掲載のあった品数より明らかに少ない品数しか入ってなかった。これは虚偽広告になる。
  8. 一部の食材が腐っていた(購入者の写真付き投稿)こと。
    食品を扱う事業者として最もまずい点。食品衛生法違反になる。
  9. 従業員・アルバイトの、非衛生的な詰め込み作業写真がネットで発掘されたこと。
    衛生的かどうかは、動画像を観たユーザーが判断する。
  10. おせちが新年最初を祝う、縁起物であったこと。
    遅配というのは、正月に食する縁起物だけにまずい。
  11. 残飯か食べ残しに見えるほどにひどい、おせちの写真が投稿されたこと。
    これが決定打になった。すかすかのおせちは、誰の目にも異常であり、商品になっていない段階で、問題画像が拡散するのは明らかだった。
  12. 箱根駅伝の放送日で、外出が少なかったために、パソコンを見る人が多かったこと。
    1月2日は、家でお籠りする人が多い。つまり多くの人が暇な時間だったこと。

ヤフートピックスは、いまや大手新聞社の一面に載るより、社会的な影響度は比べようもないほど大きい。そこに事件として掲載されるためには、ネットで話題が相当に大きくなっていないと載らない。その話題ネタが満載だったのが、このすかすかおせち事件といえる。しかしそのネタも近年はガセネタ、デマが横行していて、フェイクニュースの類も少なくない。ヤフートピックスでも、そのあたりの検証はしっかりやらないと、フェイクニュースの片棒を担ぐことになり、信頼を失うから非常に慎重である。いまから8年前に起きた事件だったため、多少緩かったとはいえネットで大騒ぎになっている裏付けは取るものだ。その裏付けになる証拠がネットで次々に出てきたから、ニュースになったのである。

では、その裏付けとなる証拠は、この事件ではどうやって明るみに出たのだろうか。

ネットクレームからネット告発へ

産地偽装の疑惑? 新証拠がゴミ置き場で見つかる
広告に掲載されているおせちには、素晴らしい食材の数々……。しかし詰め込み作業風景の写真には、買ってきたものを詰め替えているだけのように見える……。

1月2日午後、こうした声が2ちゃんねる(現5ちゃんねる)で溢れるようになったのを受けて「スネーク」が出動する。スネークとは、対象となる場所などに潜入調査する2ちゃんねらーのことで、ゲームのメタルギアソリッドの主人公の名前が由来と言われている。要は話題の現場に足を運んで、証拠を収集し話題を補強するのである。

そこで出て来たものが、スカスカおせちを製造販売した会社(バードカフェ)の裏のゴミ置き場から見つかったといわれる、食材納品書である。おせちの産地偽装疑惑の証拠となるような食材の記述もある。1月2日、午後8時、2ちゃんねるに、ゴミ置き場と納品書の写真が貼りつけられた。

さっそく、食材偽装疑惑、二重価格設定疑惑があるので行政機関もしくは警察へ相談を、とのコメントが出て、購入者・協力者の推察ですとしながらも、画像解説付きだった。

(広告表示)例=「鹿児島産黒豚の京味噌漬け」→黒豚でなく、USバラ肉

ほかに、産地偽装と思われる品が3~4品混じっている、と。

この食材納品書の発掘と告発は、ネットで大きな反響を巻き起こした。その後、行政機関が動くきっかけになったといってもよい。

ネットには、こうしたスネーク(裏付けを取る人たち)の存在を忘れてはならない。炎上は、ネットクレームから告発へと姿を変えていく。

ナレッジ&コラム執筆者

執筆者

田淵 義朗(たぶち よしろう)

ソーシャルメディアリスク研究所代表
1956年神戸市生まれ。中央大学法学部法律学科卒業後、出版社やベンチャー企業経営を経て、ネット上のコンテンツビジネス/サービスのリスク管理コンサルティングに携わる。ネット風評対策・誹謗中傷対策・クレーム調査、法的対応(民亊、刑事)の証拠収集、予防のための経営層・従業員研修、などが専門。主な著書に「45分でわかる個人情報保護」(日経BP社)、「ネット〈攻撃・クレーム・中傷〉の傾向と即決対策」(明日香出版社)、ビデオ監修「ソーシャルメディアのリスク」(PHP研究所)など。

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